謝謝! 韻韻

韻のパッチワーク

目次

  1. 概要
  2. 二種パッチワークの例
  3. その他のバリエーション
  4. 応用的なパッチワークの例

概要

前回の記事「固定配置と自由配置」では小節内における韻の配置方式について述べた。
その発展として、今回は複数のライムグループの組み合わせ方を考察する。


二種パッチワークの例

下記の例文を分析。

ラップださい雑魚8mileは遠すぎる」
えっとお前はどうする気」って? 勝つまでやるぞ
奴ら全員圧倒し 血相を変えた様子見
ネットライマーのスキルで 約何千ヤード
SIX

この部分は、二種類の母音ライムで構成されている。

歌詞に登場する順序で、AとBに分けて記載すると以下のようになる。
(この例は一部、母音不一致のフレーズを含んでいる)

Aが4つ、Bが4つ、合計8つのライムフレーズに分解できる。

ところで、これら二種類の韻の登場順序は、“A B B A”“A B B A”という反復構造を持っている。
したがって第一句および第二句をA B B Aとする、より長い韻のワンペアと見ることもできる。

このように、ショートライムを繋ぎ合わせてロングライムのように見せることが可能。

また上記の例において特徴的な点は、これ以降の小節において、B「EOAIAOUI」の韻だけを継続していくところである。

この構成によりAとBは常にセットではなくなるため、それぞれ独立したパートであるというイメージを示すことができる。
同じBでも小節に応じて見せ方が変わってくるので、連打でありながら変化をつけやすい。

参考


その他のバリエーション

上記の例では“ABBA ABBA”というパターンを示したが、もっとシンプルに“AB AB”のような構造も有効である。
これについても、変則的に“AB AB A AB AB B AB AB”といった崩し方を取り入れることで面白さを生み出せる。

その他、“ABC ABC”のように3種類以上のライムグループを組み合わせることもある。


応用的なパッチワークの例

下記は、“AB AB AA BB”の例である。

何かを期待 新たに懲りず あちらこちら今は 大都市部
頭文字はB 錆びた都市街 まだ先を見ぬ パラサイトイヴ
Black_Candy.

登場順にAとBで色分けすると以下の通り。

後半において、AAあるいはBBという“繋ぎ無しの連続した韻”があらわれるところに変化の面白さがある。

参考


履歴

日付 内容
2017.8.3 新規作成
2017.8.8 「ショートライムの集積によるロングライム」から「韻のパッチワーク」に改題
2018.11.26 公開用に清書
2019.7.19 表記を統一

韻韻

from 韻韻

“A B B A”という構造にABBAへのリスペクトが隠れていたのか...