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音の一致率と90%の法則

目次

  1. 概要
  2. 音の一致率
  3. 母音一致率と子音一致率
  4. 一致率の変化
  5. 一致率の測定例(1)
  6. 一致率の測定例(2)
  7. 90%の法則

概要

ここでは“韻を構成するフレーズ同士がどの程度近い音であるか”を一致率として論じる。

別記事「優れた韻の条件」において“連鎖性”を挙げたが、高い連鎖性を得るために意識すべき点の一つが一致率である。
(このほかに“音数”“連打回数”なども関係する)


音の一致率

“音の一致率”とは、二つの音を比べたとき、どの程度同じに聞こえるかを数値的にあらわした指標である。
同音異義語のように、完全に同じ音が繰り返されるものを100%とする。


母音一致率と子音一致率

一致のための要因を分解すると、音の一致率は“母音一致率”“子音一致率”に分けられる。
(他にもあるが、今回は説明の都合上省く)

日本語のラップにおける韻では、慣例的に母音一致を暗黙の前提とされることが多い。
したがって、多くの韻は“母音一致率100% かつ 子音一致率0~100%”に該当する。
その結果、母音と子音を総合した音全体の一致率も、実質は子音一致率に伴って変動することになる。

当サイトでは単に“一致率”といった場合、暗黙的に“子音一致率”を指す。
一致する要素を明示的に分けて論じたい場合のみ、“母音一致率”“子音一致率”という用語を用いる。


一致率の変化

一致率の分布を大雑把にグループ化すると次のようになる。

韻の特性 一致率
子音の響きが遠い 0%~
子音の響きが近い 70%~
子音の響きが非常に近い 90%~
子音の響きが同じ 100%

母音一致率100%のフレーズ同士で韻を踏んでも、子音と子音の響きが遠ければ心地良さは減じる。
子音一致率に気を配った韻は“音響効果”への意識が高いものといえる。


一致率の測定例(1)

SIX「B.B.弾」から一部の韻を抜粋して測定。

一致率
硬度増し automatic 60%
influenza instrumental 70%
小規模チーム 箒星 80%
imagination 今致命傷 85%
一個の楽章 introduction 85%
味わわすピリっと アジアはspirit 90%
にボンネットを 日本列島 90%
1cm大 一世一代 95%
チッ・チッ・バーン 町一番 95%

この数値はSIXの感じた一例である。

一致率とは主観的な指標にすぎない。
響きが同じと感じるかどうかは、読み手や聴き手の感覚に依存する。
したがって、ある韻の一致率が何パーセントと判定されるのかは、判定者ごとに異なる。


一致率の測定例(2)

SIX「DEMIGRASS BURGER」から一部の韻を抜粋して測定。

一致率
テリーヌラムチョップ デミグラスソース 50%
ビートパーミニッツ ミートパティミックス 50%
UNIQLOパーカー 牛肉のバーガー 80%
プロポーション 黒こしょう 85%
傷みは取れんし イタリアンドレッシング 85%

なお一致率を意識しながら韻を分析していると、自分の好みの韻が一致率何パーセント付近なのかということにも一定の傾向が読み取れるだろう。

参考


90%の法則

一般に、一致率を下げれば下げるほど韻を踏む難易度は低くなり、回数を多く踏める。
選べる言葉の選択肢が広がるからである。

SIXの経験から、一致率と連打回数の相関関係は次の表のようになる。

一致率 連打回数
0%~ ほぼ無限に連打可能
70%~ 約10回
90%~ 約5回
100% 2~3回

一致率70%までは、時間さえ掛ければほぼ無限に踏むことができる。
一致率70%を超えると、10回あたりが限界か。
一致率90%はさらに連打が困難で、5回も踏めば苦しくなる。
一致率100%、つまり子音が完全に一致している韻は、まず2回で打ち止めと思ってよい。

個人的には、一発の威力連打回数を総合的に判断したとき、最もパフォーマンスが高いのは一致率90%付近だと考えている。
これを“90%の法則”と呼ぶ。


履歴

日付 内容
2017.5.18 新規作成
2017.8.2 全体的に改訂
2017.10.31 「音の一致度」から「音の一致率」に修正
2018.8.8 公開用に清書
2018.8.22 細部の文言を統一

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「韻韻」は「韻」と「韻」だから一致率100%か...すごい...