謝謝! 韻韻

推敲力と即興力

目次

  1. 発掘の終着地点
  2. 完成後は判別不能
  3. ライムジャックと才能
  4. 時間制限と時間無制限

発掘の終着地点

発掘力と編集力」で紹介した発掘力をとことん推し進めると、どこに行き着くのか。

ある一語をベースに徹底的にライミングし、もう出尽くしたと思われるところから、さらに突き詰める。
すると、やがて最後の一フレーズとも呼べるようなとっておきの言葉をひらめくことがある。
これを紅茶用語になぞらえ“ゴールデン・ドリップ”と呼んでいる。

それがいつ出てくるのか、どこで終わりとみなすのか、誰にも分からない。
極端にいえば、ひとつの素材フレーズにこだわって一生踏み続けることも可能。

ただ、自分の中で“まだこれが残っていたか”と納得を得られるような一語なら、とりあえず一つのゴールとは呼べるだろう。


完成後は判別不能

鑑賞する者には、どれが最後の一フレーズかは分からない。
“作者の頭に思い浮かんだ順序”と“歌詞に登場する順序”は一致しないからである。

最後に浮かんだ言葉を、完成した曲では冒頭に持ってきているかもしれない。
素材先行型のライミングで、素材をライムグループの末尾に持ってくることもできる。(これは狙いすぎた印象がマイナスに作用しやすい)

ただし、発掘の困難さを測るヒントはある。
たとえばシンクロライムや両面素材ライムなど、運に大きく左右される韻。
こうしたものは長いサーチの果ての成果と考えられる。


ライムジャックと才能

別の作者が踏んだ韻の“片側のフレーズ”を素材として、それに合うよう追加で韻を踏むことがある。
これは和歌でいう本歌取りにあたるもので、“ライムジャック”と呼ぶ。

動機はオリジナルへの挑戦や、敬意の表れといえるだろう。(否定的な文脈で行うライマーもいないとはいえない)

そして、“このお題(素材)でこれ以上うまく踏むのはもう無理だろう”というところからでも、必ず負けないような韻を搾り出すことができる。
経験上、時間さえかければ必ず出せると考えている。

発掘力に限らず編集力も含めた話だが、韻の才能と呼べるものが存在するなら、それは“とことん発掘・推敲し続ける忍耐力”である。
時間をかける者には無限の可能性がある。


時間制限と時間無制限

ライミングのサブカテゴリには、フリースタイルバトルなど、時間制約の中での即興能力を競うものもある。

フリースタイルは“考える時間が短い”“聴覚(聴き取り)だけで韻を伝達する”という縛りを追加したゲームである。

ゲームにより勝利条件が異なるので、“ライミングとは、時間を幾らかけてでも、最も良いラインを思いついた者が勝者”と言い切ることはできない。
制限時間内で“他の参戦者よりも”優れた韻を考えるというゲームもあれば、時間無制限で“過去の誰よりも”優れた韻を考えるゲームもある。


履歴

日付 内容
2016.12.26 新規作成
2017.8.18 全体的に見直し
2018.9.13 公開用に清書

韻韻

from 韻韻

ぼくも笹をしっかり反芻しようかな